Twitterで音楽を発信してらっしゃるHoliday! RecordsさんのツイートでBy The End of Summerが流れてきた瞬間にどハマりしてしまい、そこからは5th Wave Emoや最近のマスロック、EMOにどっぷり浸かっていました。
僕の人生の原点は、2000年代初頭のEMO/POP PUNKで、ここにきてリアルタイムでEMOの世界にハマるとは思っても見なかったです。しかもほとんど日本のバンドたち。Origami Angelも全然好きですけどね。COVETは来日公演行かなかったの死ぬほど後悔しています。
この音楽カッケェ!!ってなったら1年前にすでにホリレコさんが紹介してたわー!ってのが20回くらいあった2023年。それくらい情報の鮮度や感度が素敵な方ですのでぜひチェックしてみて下ださい。
【Base】
https://holiday2014.thebase.in/
【Twitter】
https://twitter.com/holiday_distro?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
By The End of Summer
大学生の自主制作EPがあの世界的バンド、THE 1975が公開したプレイリストに載ってしまうという珍事が起きたらしく、僕もその字面のインパクトの強さに惹かれ聴きました。
バンドメンバーの宮崎さんがインタビューの中で、なぜTHE 1975が取り上げたと思う?との質問に対し、
「音楽好きに共通する、俺はニッチなものを聴いてるんだせ!という特性みたいなものが、世界的なバンドの人でも持っていたんだと思います」
めちゃくちゃ端折ったけど、と言っていたのがすごい印象的でした。確かにTHE 1975のエッセンスにEMOがあるのは割と有名な話。だけれども文化的には離れたところにあるアジアの島国の音楽をもチェックしてる点に、確かに親近感を覚えました。僕も最近はインドネシアEMOが大好きです。
やっっっっっっっっっっばくないですかこのイントロ????
この曲の気温は27度と勝手に想像しています。空が突き抜けるほど高くて、うだるような夏の暑さが退いたまさしくEND OF SUMMER!!マスロック特有のタッピングフレーズと、抜けの良いOverDriveと共にコードが走り抜ける。そして決してお世辞にも上手い!とは言えないけど惹きつけるボーカル。これです。これがいいんです。魂を感じる純なボーカルが今一番沁みるんです。
今のご時世、素人でもプロと同じ機材を揃えられて、ミックスやマスタリングも人によってはほぼ完璧に行える中、ちょっとボーカルの声小さいかな?ピッチのズレやノイズ多め?みたいな荒削りさがあるからこそ、誰かの琴線をぶち鳴らしてしまうことがあるんです。これは下手!雑!という話でなくて、人の耳に届くまでの人間味みたいなのを感じられる瞬間がたまらなく好きという、僕のフェチズムのような話です。え○ちな動画も素人モノの方が興奮するじゃん???
主語が大きすぎるけれど音楽を好きな人は、こういう音楽を一生探し続けて、自分だけの宝物にしてニヤニヤするんだと思います。だからTHE 1975のマシューもこのバンドに辿り着いたんだろうなと、それを思ってもまたニヤニヤ。
これがきっとパッキパキに均されて、整った状態の楽曲として再録しても響かないんだろうなとも思います。例に挙げると、THE ラブ人間の「大人と子供 -初夏のテーマ-」って曲があるんですけど、300円で売られていた自主制作盤に収録されているバージョンの方が、圧倒的に、それはもう圧倒的に良かったりするんです。メジャーに移籍した後に再録された楽曲を聴いても、自分でもびっくりするほど響かない。音楽って別に綺麗に完成されたものだから響くって訳じゃないんだ、と実感した17歳の冬。
ちなみにこのバンド、ボーカルが途中で変わっているんですけど、どっちのボーカルもたまらなく良いです。現在の久保さんはドライブがかった声、一方、前メンバーのバージョンは高音が伸びやかで今どきな印象。ボーカルが違うと同じ曲でもここまで違いがでるのかと、再確認させてくれました。どっちも好きなんだよなぁ。
7th Jet Balloon
長野出身のEMOバンド。美イントロ、美ボイス、美曲展開。役満。ありがとうございました。
今までの人生、大好きな楽曲のほぼ全ての共通点として圧倒的にイントロがかっこいいことなんです。特にギターのアルペジオやピアノのフレーズに弱い。ここで紹介する全てのマスロックバンドに共通することなんですが、イントロが全部綺麗なんです。7th Jet Balloonもご多分に漏れず。
楽曲もさることながら個人的にはジャケットと曲名がツボなんですよね。
【右 plesant,sadness,and… (2023)】馬鹿みたいに綺麗な羊雲と夕焼け。みなさんの写真フォルダには10枚くらいこんな写真入ってるでしょ?そしてただの空の写真なのに、撮った自分にしかわからないその日の記憶や思い出みたいのもこびり付いているでしょ?そんな錯覚に陥らせてくれるジャケット。タイトル名もなんかカッケェな??余韻感じちゃうよ…。
【中 This Town Needs Jiro (2022)】ないんだろ…。わかるよ。長野だもんな。広いし山だし都市部は限られてるし。このジャケットどこだろう。明らかに宅麺しているんだけれど、多分富士丸系だと思うぞ。荒めの豚に、ほとんど刻んでねぇだろと言いたい荒めのニンニク、クタヤサイ、座布団アブラ。美味しいよね。わかる。
曲はかっこいいです。コーラスワークが素晴らしい。腹減ったな。
【左 I Use A Wooden Bat When I Play Baseball (2021)】
硬式なのかな。リトルかな。シニアかな。バッティング矯正中で竹バットでも使っているのかな。知らんけど。でも金属とかビヨンドのほうが飛ぶよね。
年を重ねるごとに楽曲とメロディーラインは格段に洗練されています。特に名前におふざけが入っている頃は、マスロック的な印象はそこまでないが、2023年になってからはいわゆる5th waveなアプローチが増え、ギターフレーズの引き出しが増えた印象。ギターの厚みがあるのに抜けが良いドライブも耳心地が良いです。
ANORAK!
まさしく“SUPERNICEBOYS“な東京出身4人組マスロック/EMOバンド。
はい、イントロ職人です。マスロックやこの世代のEMOは、そりゃもうAmerican Football譲りの美イントロが音楽性における1つの特徴ではあるものの、ANORAK!は国内バンドの中で頭ひとつ飛び抜けていると思います。
2022年リリースのセルフタイトル、ANORAK!
曲名は全て都内の地名。そして全楽曲の尺が2:30以下でまとめられ、全体的にテンポ感の良いアルバムとなっている。が、その短い曲の中で、思わずニヤっとしてしまうような展開がいくつも散りばめられており、もっと食べたい!聴きたい!となってしまう余韻が聴くものの感情を刺激する。
一曲目の「中野」からこのアルバムの価値を一瞬で分からしめてくれるイントロ。
そこから2曲目の「浅草」への転換は、実際にライブハウスで聴くのを想像するといつも鳥肌を抑えきれない。
3曲目「表参道」。約2分の楽曲の中に散りばめられた宝石のようなギターフレーズ。それを輝かせるように後半に変化する曲展開。この短い時間の中で、記憶の中の物寂しさが加速するような、まさしくエモの名曲だと思います。そしてANORAK!では珍しい日本語で歌われているのも、ストレートに胸に響く要因かと思います。
そして15曲目のラスト。中野から始まり、東京23区外(八王子、調布)を経て、都心部(渋谷、新宿、池袋)を通り、途中に聖蹟桜ヶ丘を挟んで、ラストの曲「北千住」
最後に「北千住」を持ってくるあたりよ。これがもし最後の曲が「渋谷」や「下北沢」なら、街としての印象があまりにも出来上がりすぎて、このアルバムの意味やANORAK!というバンドとしての見えないストーリーが、安直かつストレートにリスナーの頭の中に思い起こされて、想像の余白が薄れてしまう。だからこその北千住。洗練された都会でもなく、不安定なカオス感とそこにいた人だけが感じられる何かがあるんだ、という影がある街。
そこに溢れるように載っかるANORAK!のサウンドが、ぐるぐると都内を巡ったアルバムの最後にふさわしい楽曲になっている。そしてやっぱりギターはテレキャスター。僕はテレキャス使ってるバンドを本当に好きになるな。
Japanese Football
このバンドに出会えて本当によかったです。Holiday! Recordsさん、Ungulatesさん、マジでありがとうございました。あなた方の情報発信のおかげです。
まずこれもマスロック/EMO。がしかしちょっとレベルが違う。こんな島国に突如グローバルスタンダードなバンドが迷い込んでしまったとも言うべきか。というのもVo./GuitarがJack Chambersさんというガチネイティブ。ちなみに日本語もペラペラ。MCで普通に冗談言いまくって会場沸かせてます。
このJackさんの歌声が半端ない。今まで紹介した3バンドはサウンド面こそ、メロディックなマスロックで共通しており、それぞれのバンドで色々な影響が垣間見えて楽しいのですが、やはりボーカルは細め。どうしてもインディーズバンドのボーカルという、なにか越えられない壁のようなものを感じてしまう節もあります。めっちゃ好きだしカッコいいんだけどね。
が、Jackさんの歌声がとにかく一線を画している。どこまででも伸びていくふっっとい歌声。耳心地の良い高音域。そしてガチな英詞で醸し出される本物感..。これは..敵わないです..。USの現地バンドを見つけてしまったような高揚感。けれど日本でライブ見に行けちゃうというまさしく奇跡。
昨年はこのアルバム一生聴いてました
サウンド面も先ほど紹介した3バンドとは違った印象を持たせます。他のバンドはマスロック的なギターアプローチの上にサウンドが載っかっている印象ですが、Japanse Footballは一貫してバンドとしてのグルーヴの中にマスロック的なフレーズがあるというイメージでしょうか。
他のバンドはギターをメロディを聴きにいく、のようなモチベーションなんですが、Japanse Footballは1曲の塊として味わいたい、そんな気持ちなんです。要所要所でギターが入るからこそ、全体としての調和が取れて、まとまりが出る。かといってイントロからかっ飛ばしで美メロ美イントロが炸裂してるんですけどね。
Japanese Footballだけは本当にこの1年聴いてきて大好きだったので、ライブに行きました。普段ライブに行く方ではないのでめちゃくちゃ緊張しながら、音楽やってそうな身内で固まってるライブハウスにコソコソと侵入。あの瞬間隠キャにはマジで苦手。
肝心のライブですが、、、、、、、口から音源、手から音源、耳に音源、ってか音源以上でした。なんだこれ?どうしてこんなキャパでライブやってんだ??
ボーカル:ゲロうま。原曲キー。音源以上、ニトリ。ってかギターもうますぎて笑っちゃった。Reflections Of Youのソロマジでミスないしどうなってんねん。
ドラム:ゲロうま。楽しそう。本当に楽しそう。ライブ中バスドラの位置ズレちゃって大変そうでした。笑顔が素敵。
ベース:ゲロうま。こちらも楽しそう。子宮に響く。JackさんにMCでいじられててなんかよかった。
ギター:げっっろうま。マスロック系のバンドのライブ初めてみたけどこんなうまいの?????意味わかんね。
頼むから早く次のアルバム出してくださいお願いします。今僕が一番新譜を聴きたいバンドなんです。大好きです。
ちなみにVo.のJackさん、本職はウィスキー蒸留所のアンバサダーとのこと。なんてオシャなんだ。しかも20歳で日本来て京大卒..。化け物じゃんカッケェよ…。インスタいつも楽しそうな更新ばかりで素敵です。https://www.instagram.com/whiskyjack.jp/
まとめ
最近特に熱いエモ/マスロックの国内バンドたち。Youtubeや音楽紹介のTwitterアカウント見るたびに素敵なバンドがわんさか出てくるので常に目が離せないです。
ちなみにトプ画はマスロックの大御所American Football。一番好きな曲はやっぱりNever Meant
Japanese Footballはもちろん彼らのリスペクトから取られているし、調べてみるとJapanese Baseballもあれば、Chinese Footballもあるらしいです。世はまさに乱世..!
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