あたらよの「夏霞」が思い出の曲になった

普段メロコアやパンクロックばかり聴いているのに、昨年の１年間はこの曲ばっかり聴いてました。

同じように、1stアルバムの「極夜において月は語らず」もぶっ通して聴いてました。全曲良い。あたらよって捨て曲がなくてほんと大好きです。

あたらよってどんなバンドなの？
夏霞で思い出すあの人のこと
PVに出ている女優さんは誰？

あたらよってどんなバンドなの？

まずあたらよっていうバンド名。由来は万葉集の句に使われている、「明けるのが惜しいほど美しい夜」という意の「可惜夜（あたらよ）」から。

なにそれ、すっげぇ発想。

最近のバンドってなんかチョけた名前で聴く前から萎えちゃうことが個人的にはあるんだけれど、万葉集の言葉からバンド名持ってくるってとんでもねぇな。

あたらよはVo.ひとみ、Gt.まーしー、Ba.たけおの３人からなるバンド。2020年11月に初のオリジナル曲、「10月無口な君を忘れる」をYoutubeに投稿し、一躍トップバンドの仲間入りを果たす。

あたらよ活動一発目の曲が有名なこれです。TikTokで鬼バズり、Spotifyバイラルチャート1位、THE FIRST TAKE出演とリリースして1年足らずで実力を知らしめた、とてつもないバンドなんです。これ10年後とか普通に伝説として語り継がれるよな。

もうただのモンスターバンドじゃん？？？？これ一曲目？？は？てめぇらONE DIRECTIONかよ？？

このあたりから、他のバンドもPVの頭に語りを入れてくるようになった気がしますね。

あたらよの曲って特別変わったことをしてるわけでもないし、ギターのフレーズやコードもそこまで他と違っているかと言われればそうでもない。割とシンプルで王道な構成だったりするのに、突き抜けてキャッチーなクセに胸を抉られるような印象を持つのは何故なのだろうか。普通だったら他のアーティストの曲と並べられて埋もれちゃうのがオチなのに、「あたらよ感」を一貫して表現してるのが素敵だと思います。これぞ日本の音楽！切なさ！って言いたくなる素敵なバンドだと思います。

時より見せる疾走感マシマシな曲とか、割と多くの楽曲にちゃんとギターソロ取っているのがなんとも琴線に刺さる。ギターのバンド魂、僕はちゃんと受け取っていますよ…!!!

バンド公式サイトはこちらから！

あたらよオフィシャルサイト

悲しみをたべて育つバンド。」あたらよのオフィシャルホームページ。グループ名の「あたらよ」は

夏霞で思い出すあの人のこと

普段メロコアとかエモばっかり聴いてるのになんであたらよ？って話なんですが、2月に職場を退職した際、有給が1ヶ月残っていたので、車を走らせて西日本を1周旅をしてたんです。

特に何も決めず、気ままに車を走らせて、車中泊をして朝を迎える。そんな最高な旅の中で、現地の人と仲良くなる機会がいくつもありました。その土地で出会い、そこでの生活の話や、何気ない日常を聞けるのがめちゃくちゃ楽しかった。みんないい人ばっかりだったなあ。

特に見る物も行きたい場所も無かったから素通りした京都。滋賀に入ろうとした直前で出会った京都の人があまりにも素敵な人で、その時間だけがあの旅の思い出を色濃く、そして鮮やかにさせてしまった。

会った時の印象はめっっっっっっちゃくちゃに可愛い女の子。え、なんでこんな人が俺と一緒にいるの？ってくらい美人で流石に声が震えた。年齢を聞いたら4個下だった。たしかに時折みせるあどけなさが、世代の違いを気づかせた。

あとあと聞いたら、大阪の難波でゴリゴリのキャバ嬢やってる人でした。キャバ嬢ってシャバの人間と交流するんだ知らなかったぞ？？？僕はこの瞬間、生まれて初めてキャバ嬢とお話ししました。まさか店の外で話すとは思いもしなかったぜ。

どんどん深掘っていったら、芸能人と全然友達ー☆なんなら身体の関係もあるよー☆イエィ☆、みたいなぶっ飛んでる人で、そういう異世界の生き物にめっぽう弱い僕はまんまとコイツカッケェ！となってしまった。異性としてはもちろんだけど、人としこういう人種に惹かれてしまうからしょうがない。

結局朝まで過ごした大阪の端っこ。なんでキャバ嬢が俺とプライベートでいるんだ？と、その変な状況にまだハテナを浮かべつつも、たくさん笑って、たくさん喋って時間をギリギリまで過ごした。それから彼女を家まで送っていく帰り道、西日に照らされる冬の桂川を横目に、彼女が流したのがあたらよの夏霞でした。その曲だれ？って聞いたら、「あたらよって言うらしい。あんまり知らないんだけどね」と。曲名はわからなかったので、別れた後に速攻全曲聞こうとザッピングしたら割と早い段階でヒットしたのを思い出す。

季節は冬。なのに夏霞。まるっきり反対の2月に夏の歌を好きになったのは、遠いものほど綺麗に見えて、思いを馳せてしまう人間の性みたいなものを感じさせて、ちょっぴり感傷的になってしまいました。そして図らずも素敵だなと思ってしまった彼女に対しても、物理的な距離や住む世界が違ったりなど、手の届かない遠さを感じてしまって、より美しく見えてしまったのかもしれない。

いまこうして思い出の1つとして振り返ると、あの旅の中で見たどんな景色よりも、あの帰り道の夕焼けが飛び抜けて綺麗で、素敵な時間だったと思い出に寄りかかる時があります。そんな刹那的な思い出をあたらよの夏霞に乗せて、たまに思い出したりする昨年でした。こうして思い出の冷凍保存をして、また明日からも生きていこうと思います。